【裁判関係本のレビュー-21】裁判官! 当職そこが知りたかったのです。-民事訴訟がはかどる本- 単行本 - 2017/12/9

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    JUGEMテーマ:電子書籍出版


    ★★★☆☆ 3点

    レビュータイトル:当職、そこが知りたいのではなかったです 2018年7月23日

    初めての本人訴訟で、提訴から控訴審判決まで3年5ヶ月と14日もかかり、
    弁護士相手に勝訴しましたが、その間に色々な疑問が湧くたび、
    書記官に聞いても的を得ず、裁判官は何も答えてくれず、
    自分で調べても最後まで不明なことが山盛りになりました。

    そういう時期に目次に惹かれて知りたかったことの一部でも分かるかと期待して読んでみました。

    中堅弁護士がベテランの裁判官にインタビュー、という形式です。
    インタビューだと「インタビュアのレベルが良し悪しを決める」ものですね。
    その点では質問の内容がお粗末だったりツッコミが不足していたり
    「当職、そこが知りたいのではなかったです」です。

    『裁判所からみた「いい書面」「悪い書面」』などというタイトルはとても
    関心を持ちましたが、中身は当たり前のことしか聞き出せていない。むしろ、
    そんな程度の話を聞きたかったのか?と思ってしまいます。

    続けて出てくる話題が
    『書面を送るべきはファックスか郵送か』です。

    そんな事を「中堅」が質問するのかこの国の法曹は!と呆れます。
    この話の結論は「ファックスのほうが読みにくいのは確かだが裁判官の判断に影響する部分はないと思う」です。
    そんなこと、当たり前ではないのか?私の相手の弁護士はいつも準備書面を
    出すのが遅くて期日直前にファックスしてきて期日にクリーンコピーと差し替え
    してました。当然、ファックスの方は裁判所は記録に綴じずに捨ててます。
    そういう運用も場所によって違うらしい。つまり、裁判所が変わればやってることも違う。
    そこがそもそもの大きな疑問です。人によって結論が違うのは許される事なのか?

    この本の内容も「裁判官個人の意見」でしかないのです。この国には裁判についての
    統一した根拠というものが色々なものについて有りませんね。だから本屋には類書が
    溢れかえっていて、どれもこれも同じことについてぞれぞれが勝手な事を言っている。
    この本の裁判官はベテランですが、だからといってそれが仕事の判断の「根拠」にはならないのは
    当然でしょう?参考程度にするものですか?参考書なら山ほどある中に、もう一冊同じようなものを加える
    意味がどれだけあるのでしょうか。例えばビジネスでは書類に「エグゼクティブサマリ」をつけるのは
    常識です。この裁判官は「10頁の書面には目次はなくてもいい。40頁ぐらいだとあったほうがいい」(31頁)
    と言っているが、エグゼクティブサマリは本体の頁数でつけるかどうか決めるものではなく、内容を1頁で
    見通せることが目的なので、見出しが三つ以上ならどんなに薄い書類でもつけさせます。同様に書面の目次も
    見出しが三つ以上ならどんなに薄い書面でも私はつけました。一方、相手の弁護士の書面は見出しのレベルが
    まちまちだったり目次もないので最後まで読み通さないと何を構築しようとしているのかがとても分かりづらかった。
    法曹でもビジネス文書の書き方を模倣してもらいたいものです。そこまで議論してもらえれば読む価値はあるが
    「あ、そうですか」で終わってしまうのは聞き手の引き出しが少なすぎることの現れです。

    この本には「私の知りたかったこと」は書いてなかった。というより、
    誰も答えを持っていないのだと思うようになりました。

    ただひとつ、このベテラン裁判官の発言で注目したのは「法曹のIT化を進めたいと思って取り組んでいる」です。
    今どき、ファックスで何十枚も書類を送る人は私の周りにはいません。書類をカラーで作成してメールで裁判所に
    提出したら「裁判所にはカラーブリンタが無いから印刷して持ってきてくれないか」と言われたときは唖然としました。
    石器時代に暮らしているんです。そのうえ、誰もが自分の裁量でバラバラに仕事をしている。同じ裁判も裁判所が違えば違う判決が下る。
    それでいいのか?と誰も思わないのでしょうか。
    それに応えるのがAIでしょう。この本の中ではAIを過小評価して誤解しているようですが、裁判官の仕事こそAIに向いている。
    どこの管轄になっても、必ず最適解で判決が出される。そうなれば控訴もなくなる。
    和解が有利な理由も双方に上手に提示してくれる。根拠の無い世界でロクでも無い判事がいい加減な判決を書く、
    そういうものをなくす方向に進んで欲しい。
    法曹界はAIが導入されると仕事が無くなるからそれを思いもしないと思っていましたが
    この裁判官はその可能性を考えているようです。実現は50年以上先だ、とこの本でも言っていますが、
    いずれ実現してほしいものです。

    この本のアマゾンのリンク



    被告
    澤村翔子


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      • 2018.09.11 Tuesday
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