★★★★☆ 4点
レビュータイトル:臨場感のある、珍しい訴訟関係本 2015年10月11日
本人訴訟の原告です。
なにしろ初めての訴訟なもので、聞くもの見るものみんな珍しく
どこにも書いてない事に出会うのが「初めての訴訟」です。
二年半も係属してやっと「争点整理」まで来ましたが、手続きについてはもう完全理解していますが
実際のところ、裁判所でどういう「やりとり」が行われるのか、は、やってみないと分からない。
そのことについて「ライブ」で解説してくれるのが本書です。
最初は「ライブ」の意味が分かりませんでしたが、
「実際に裁判期日に各人がどんな発言をして、心の内ではどんなことを考えるのか」
を具体的に臨場的に記述してくれている本なのです。
これは裁判を傍聴していても分からない「心の声」までも書かれているので
他に類書のない、とても興味深く読める本でした。
ただし、裁判というのは原告、被告、裁判官、代理人弁護士が参加するものなので
どういう人が加わっているかによって中身は非常に違う。この本に書かれている架空の事例でも
「実際の出演者」によってこの本に書かれている展開とは異なる展開、結末、に進むものではないか。
というのも、私の現在経験している訴訟の進行は、この本のような展開にはまったくなっておらず、
相手の代理人弁護士は「企業契約」が専門らしく民事訴訟の経験が乏しいために攻撃防御の方法が
素人の私の目からも不備が多く、争点についてもまったく絞りきれず、求釈明に対しても回答を拒否して
裁判長に窘められる、といった具合でその様相はかなりこの本とは異なるからなのです。
言い換えれば、この本のように裁判が進行するなら理想的。といった内容の本ではないでしょうか。
日本の裁判がなぜ時間がかかるのか、争点整理に一年もかかるような裁判が実際にあることを経験すると、
その理由は「弁護士がヘボだから」というのが実のところというのが実感です。もっとこんな本を読んで
勉強していただきたいものです。
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