【裁判関係本のレビュー-1】臆病者のための裁判入門 橘 玲 (著)

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  • epub
    2018-07-05 16:43:27

JUGEMテーマ:電子書籍出版




★★★☆☆ 3点

総評:ノウハウの参考書にはならない「体験談」

自分がいきなり地方裁判所の本人訴訟原告になってしまい、参考になる図書を探して
これも読んでみました。結論から言うと、そういう目的には役に立ちません。
著者は「臆病者の〜」という本を他にも書いているらしくシリーズ物として
「裁判」もやっつけちゃおう丁度いい機会を得たし、という動機で書いている
という所が共感できません。「裁判の経過」を事細かくレポートしているのは
なかなか同種の著作が日本には無いので読み物としては成立していますが
「だから何が教訓として残るのか?」という部分がほとんど無い。書かれている事は
『私も』経験している事、本人訴訟の原告になったら『誰でも』経験している事です。

だから「訴訟の経験の無い人」には面白いかも知れませんが訴訟の真っ最中の人には
助けになったり得る物があったりする本ではない。そこを期待する本ではありません。
訴訟に勝つ心得とか、準備書面の書き方戦略とか、証拠書類の効果的な提示方法とか
そういうノウハウは一切ない。裁判を経験したと言えシロウトですから書けていない。
「裁判の体験談」の域を出ていないわけです。しかも佃弁護士という有名な人に結局は
助けられた訳で、自力で解決したのでは全くありません。

著者の誤解や思い込みによる記述やわざとらしい見出しも共感できません。
「調停が不成立になって訴訟に至っても(相手方が)調停案を拒否したという事実は裁判でまったく考慮されることはない」58ページ
「世界の多くの国では、言葉の話せない外国人は犬や猫のように追い払われるのが当たり前」98ページ
「狡猾な裁判所」という見出しで、裁判所の助言が「高裁のパフォーマンスだった」と決めつけている138ページ
などなど、共感できません。役に立たない。

ところが体験談が終わってからのパートIIになると印象がガラリと変わって
少額訴訟の問題点調査報告書としてはとても良く書けている。
福島原発事故の損害賠償請求がどんなに大変なことになるかという予測は恐ろしくなる。
パートIの「体験記」よりはこの著者の本領発揮という感がしたが、
この本を手に取った理由はそれを知りたかったから、ではないのです。

ということでノウハウの参考書にはならない「体験談」には期待はずれ、というのが私の評価です。

この本のアマゾンのリンク


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    • 2018.07.17 Tuesday
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